日本人が英語を学ぶのはとても大変ですね。実は「日本人の脳」が英語を学ぶのにあまり適していからなんです。これには、日本語と英語の性質的な違いもありますが、「脳」という観点から見ても日本語と英語は大きな違いがあります。
英語脳と日本語脳の違い
例えば「重」という字を書いて「これは何と読む?」と聞かれたとします。ここで日本人はとっさには答えられません。
送り仮名に「い」がついたら『おもい』「ねる」がついたら『かなねる」となります。「重大」なら『じゅうだい』、「貴重」がついたら『きちょう』とも読めます。日本人はまず初めに「重」の字の意味を理解して、読み方は後から「じゅう」なのか「ちょう」なのかを判断するんです。
これが日本人の脳。
英語圏の人は、一つのアルファベットが、一つの音に結び付く世界に暮らしています。日本語の様に「文字から意味を理解する」という概念が通用しません。つまり、アルファベットの文字自体に意味は無いので、「O・R・A・N・G・E」と文字を続けば「オレンジ」という音に結び付いてすぐに意味が分かります。
これが英語圏の人の脳。
英語を読む力というのは、アルファベットという記号があった時に、アルファベットと音と結びつける能力です。
日本人の脳では英語を話すのは難しい?
日本人の脳は、英語圏の人と同じ脳の構造も持っています。日本のひらがなやカタカナが英語と同じ仕組みです。「オ・レ・ン・ジ」なら「オレンジ」という音に結び付き、「み・か・ん」なら「みかん」という音に結び付きます。
例えば脳に「誤字障害」というに障害が出て、文字が読めなくなる事があったとします。英語圏の人は全く文字が読めまくなりますが、日本人の場合は、カナだけが読めない人と、漢字だけが読めない人の二通りに分かれます。
その理由は、日本人の脳の中は「カナを読む部分」と「漢字を読む部分」が別々だからなのです。「カナを読む部分」が欠けるの障害の人は、「O・R・A・N・G・E」という目に見える文字を「オレンジ」という音に結び付ける回路が機能しなくなります。けれど日本人は読字障害になったとしても、全く文字が読めなくなることは少ないわけです。
日本人が英語の壁を感じる理由
日本語の読み書きというのは、アルファベットのように「カナが音と結び付いて意味を成す回路」と、「漢字から意味を想像して考える」という脳の二か所を使っています。
実は「漢字を読む部位」は、日本人以外ほとんど使っていません。脳の二か所を使って読み書きする脳の構造は、世界でも珍しく、とても特殊なのです。
このように、日本人はカナと漢字の両方を使いこなす複雑な構造がもともと脳の中に備わっているので、26の文字の組み合わせで成立する英語の世界は馴染みにくいし学びにくいんです。
英語の性質を理解しよう
「そもそも脳の構造が違うから、英語はだめだ!」という前に「英語とは何だろう?」「英語と日本語どこが違うんだろう?」ということを理解すると、変な劣等感を感じません。日本人だから無理だと諦めないで下さい。
日本語と英語は、性質がまるで異なる言語です。脳の構造から考えても、日本人はもの凄い労力と時間をかけて、英語の壁に向き合うことが大事ですね。。
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